推しに告白(嘘)されまして。
「…」
恥ずかしいので、やめてもらいたいが、つい先ほどまさにそれを私が千晴にやっていたので、やめろとは言いづらい。
「え、犬耳の先輩可愛い。うちで飼いたい。次、これね」
「…」
「えー。キャップも可愛すぎない?てか頭ちっさいね、先輩。可愛い」
「…」
「バケハもいいね。サングラスもいい。全部いい。全部買う?」
「…」
今度は私が千晴にされるがままとなり、恥ずかしさのボルテージがどんどん上がっていく。
楽しそうにいろいろなものを私に試す千晴に私の顔がどんどん熱を帯びていくのがわかる。
心なしか周りの人の視線がこちらに集まっているような気さえした。
「先輩は何でも似合うね。かわいい」
「〜っ!うるさい!」
まじまじと私を見る千晴についに我慢の限界を迎えた私は、ぐーっと千晴の胸を押し、距離を取った。
ここここいつ!可愛い可愛い本当にうるさい!
恥ずかしい!
そんな私を何故か千晴は嬉しそうに見つめていた。
その後私たちは日差しの強さからお揃いのバケハとサングラスを買ったのだった。