推しに告白(嘘)されまして。
「俺のためにわざわざお土産を買ってきてくれたの?嬉しい…。ありがとう、鉄崎さん」
「…へ、あ、あ、うん」
まさかこんなにも喜んでもらえるとは思わず、私まで嬉しくなり、声がうわずる。
推しが私なんかのお土産でこんなにも喜んでくれるとは。
買った甲斐があったし、今後どこへ行くにも必ず沢村くんへのお土産を買おうと思えてしまう。
推しに貢ごう。絶対。
舞い上がっている私の横で、沢村くんは早速袋を開け、中身を確認すると、「メルヘン猫だ。かわいい」と顔を綻ばせていた。
…絶対、貢ごう。うん。絶対。大決定。
「ところでメルヘンランドには誰と行ったの?」
決意を新たにしていると、メルヘン猫から私に視線を移した沢村くんがそんな質問をする。
「千晴とだよ。何と千晴がVIPチケットをもらってね。それで行ったんだけど、VIPの力がすごくって…」
なので、私は沢村くんに笑顔で答え、ついでに週末の思い出を話し始めた。
ーーーが、それを私は途中で止めた。
沢村くんの表情が突然どこか暗くなったからだ。