推しに告白(嘘)されまして。




*****



約2週間前のことを思い出し、思わず頬が緩む。
あの時、一瞬だけ沢村くんから元気がなくなった気もしたが、私からのお土産にとても喜んでくれ、さらにはメルヘンランドに一緒に行けることも確定し、とにかくもう最高だった。
やはり、千晴のアドバイス通り、沢村くんにお土産を買ったことは正解だったみたいだ。

沢村くんのメルヘン猫を見ながら、そんなことを思っていると、私の視線に気づいた沢村くんは私ににっこりと笑った。



「これ、可愛くて気に入ってるんだよね。ありがとう、鉄崎さん」



リュックの横にぶら下がるメルヘン猫に視線を落とし、ちょんちょんと嬉しそうにメルヘン猫を触っている沢村くんに、胸がきゅーっと締め付けられる。
柔らかく細められた瞳には、メルヘン猫を慈しむ優しさが確かにあり、胸がいっぱいになった。

私があげたものをあんなにも大切そうにしてくれているだなんて、嬉しすぎて昇天しそうだ。
そもそも私があげたものを身につけてくれている時点でもう最高なわけで。

ありがとうございます。
またお土産買います。絶対。




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