推しに告白(嘘)されまして。




彼氏が複数人いるなんて当たり前。
常に男を切らさない雪乃だが、立ち回りがとてもうまくこの高校では清楚系美少女として通っていた。

自分で言うのもなんだが風紀委員長に選ばれるほど真面目な私と、清楚系小悪魔美少女の雪乃では全く違う人種なので、仲良くなれそうにないものだが、私たちは中学からの親友だ。
何故、そんな私たちが親友なのかというと、互いに表裏なく言い合える性格が合っていたからだった。



「…はぁ、やっぱりかっこいい」



雪乃との会話の中、ふと窓の外を見ると、バスケコートでバスケをしている沢村くんの眩しい姿が目に入り、思わずため息を漏らす。
雪乃も私の視線に気づき「暑い中よくやるよね」と興味なさげに一瞥していた。



「で、王子からの告白、受け入れるの?」

「もちろん!」



雪乃の質問に私はキラキラとした笑顔で応える。
例え、告白の後に、さっきの告白は嘘でした!と言われても、沢村くんの彼女の座に君臨してやるつもり満々だ。
キラキラ通り越して、メラメラし始めた私に雪乃は「まぁ、恋愛ごとなら私に任せてよ」と楽しそうに笑いながら、そんな頼もしいことを言ってくれた。

雪乃さん!よろしくお願いします!



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