推しに告白(嘘)されまして。
「ねぇねぇねぇ。あれってそうだよね?」
「私今、幻見てる?」
「アイツがいるならいい試合できるんじゃないか?」
どうやら華守学園の生徒らしき人たちがコート内の誰かを見て、ざわついているようだ。
「え、待って待って。めっちゃかっこよくない?」
「何であっちにいるんだろ…」
「怖いけど、やっぱ華あるよね…」
それからそのざわめきは何故かこちら側、鷹野高校側にも広がってきた。
何を見て両校の生徒たちは騒いでいるのか。
「ねぇ、ちょっと、柚子、あれ」
不思議に思っていると、私よりも早くそのざわめきの中心を見つけた雪乃が、驚いた表情でコート内を指差し、私の肩を叩く。
雪乃まで驚くとは一体何があるというのか。
プロバスケットボール選手でも混じっているのか。
私もやっとこの場にいる人たちと同じように、騒ぎの中心へと視線を向けた。
「え」
そして私は思わず、周りの人たちと同じように目を見開いた。
コート内に何故か、バスケする気満々の格好の千晴がいたからだ。
それも何故か華守学園側に。
えええええー!!!????
な、何しているんだ、アイツ!?