ひとりぼっちの転生幼女でしたが、最愛の家族ができました~実は神子だった私、ハイスペ兄から溺愛されつつ癒しの才能発揮します!~
たくさんいた騎士さんたちは数人になり、先生たちと神王様と私という面子は静々と建物の中を歩いていく。私は歩いていないけど。
やがて私たちは、いつも生活している場所を抜けて、真っ白な石材が多く使われている建物に到着する。
前を歩く先生たちがいくつかの扉を開けて進んでいくと、たくさんのステンドグラスに囲まれた礼拝堂のような場所に入った。
天井は高く、ドーム状になっているのがすごい。異世界の技術力はわからないけど、素晴らしい造りだと思う。
ここで声を出すと反響がすごそう。誰か楽器とか演奏してくれないかなぁ、なんて。
「ようこそいらっしゃいました、神王様。その子は神殿に所属しておりますので、この『祈りの間』にご案内させていただきました」
「うむ。わかっておる。引き取り手が決まっていたとしても、この子は城へ連れていく」
「それは重々承知しております。ですがこの子は……」
青ざめた顔で私を見ている先生。
ちょっと会話についていけないのですが、私は神王様に引き取られる感じなのかしら?
神話にも出てくる、すごく偉い存在の神王様のところに、ちょっと変わった記憶があるだけの私がなぜ?
そして私は神殿に所属していたんだね。知らなかったよ。この施設の説明では子どもを預かっているという話だったはず。
「神殿内でも、多くの者たちがこの子を引き取りたいと願い出ておりました。これほどまで聡明な子ですから、特別ななにかを私たちは感じていたのです」
「神殿の預かりではなく、所属としたのはいい判断であったな。しかし神(かみ)子(こ)は城におるものだ」
「この子は女児であり、まだ幼く髪色などに変化もございません。万が一神子様だとしても早すぎます」
むむっ、先生が言う「神子」のことは知っているよ。絵本にもあった、国を納めている神王様の御子たちのことだ。