ひとりぼっちの転生幼女でしたが、最愛の家族ができました~実は神子だった私、ハイスペ兄から溺愛されつつ癒しの才能発揮します!~
「ふむ。神子は本来、成人とともに目覚めるものである。それに、この子は女児であるな」
「さようでございます。神子様は男児であることが通説です。荒ぶる神力を持つのは男児にすると、定めたのは神王様ではございませんか。ですから、この子は神子様ではないと神殿は判断しました」
「では、これならばどうだ?」
祈りの間の奥へ、私を抱っこしたまま進む神王様。そこにある台座のようなものの上に、ちょこんと座らされる私。
神王様が金色のお髭をモフモフ動かしなにかを呟くと、優しい風が私に向けてふわっと吹いてきた。
「なっ……!?」
「この姿ならばよかろう?」
驚く先生に対し、満足げに頷きながら私の頭を撫でている神王様。うん、なにが起きたのか説明していただきたいです。
戸惑う私に気付いた神王様が、再び金色のお髭をもふもふ動かす。すると突然、目の前に大きな鏡が現れたではないか。
鏡に映るふんわりとした水色の髪をした愛らしい幼女の、ペリドットのようなライトグリーンの瞳と目が合った。
ええっ? まさか、これが私……なの?
まだ今世の自分の顔に見慣れていないので、これが本当に自分なのかが微妙にわかりづらいというか……。
「その髪と瞳の色を持つのは、我が子という証明になる。この幼子は、我が子『神子フリューリンデ』である」
「ふりゅー?」
「フリューリンデである。愛称をつけてもよいか? ルーなどはどうだ?」
「あい。ルー、なまえ、うれし」
名前をもらえて、さらに愛称までつけてくれるとは!
心配してくれている先生を前に、つい嬉しくて無邪気に喜んでしまった。ごめんよ。
なんか知らんけど、この世界で一番(?)偉いという神王様の子どもになれるみたい?
わーい! やったね!
……やったね、で、いいんだよね?