ひとりぼっちの転生幼女でしたが、最愛の家族ができました~実は神子だった私、ハイスペ兄から溺愛されつつ癒しの才能発揮します!~

「ふむ。神子は本来、成人とともに目覚めるものである。それに、この子は女児であるな」

「さようでございます。神子様は男児であることが通説です。荒ぶる神力を持つのは男児にすると、定めたのは神王様ではございませんか。ですから、この子は神子様ではないと神殿は判断しました」

「では、これならばどうだ?」

 祈りの間の奥へ、私を抱っこしたまま進む神王様。そこにある台座のようなものの上に、ちょこんと座らされる私。

 神王様が金色のお髭をモフモフ動かしなにかを呟くと、優しい風が私に向けてふわっと吹いてきた。

「なっ……!?」

「この姿ならばよかろう?」

 驚く先生に対し、満足げに頷きながら私の頭を撫でている神王様。うん、なにが起きたのか説明していただきたいです。

 戸惑う私に気付いた神王様が、再び金色のお髭をもふもふ動かす。すると突然、目の前に大きな鏡が現れたではないか。

 鏡に映るふんわりとした水色の髪をした愛らしい幼女の、ペリドットのようなライトグリーンの瞳と目が合った。

 ええっ? まさか、これが私……なの?

 まだ今世の自分の顔に見慣れていないので、これが本当に自分なのかが微妙にわかりづらいというか……。

「その髪と瞳の色を持つのは、我が子という証明になる。この幼子は、我が子『神子フリューリンデ』である」

「ふりゅー?」

「フリューリンデである。愛称をつけてもよいか? ルーなどはどうだ?」

「あい。ルー、なまえ、うれし」

 名前をもらえて、さらに愛称までつけてくれるとは!

 心配してくれている先生を前に、つい嬉しくて無邪気に喜んでしまった。ごめんよ。
 なんか知らんけど、この世界で一番(?)偉いという神王様の子どもになれるみたい?

 わーい! やったね!

 ……やったね、で、いいんだよね?
< 16 / 20 >

この作品をシェア

pagetop