彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
私はそのまま髪をセットしてもらい、化粧をしてアクセサリーを付けた。
靴を履いたころに、彼が入ってきた。目が釘付けになった。
「玲さん、素敵です。本当の王子様みたいだわ……」
彼は王子様よろしく、私に手を差し伸べてくれた。
「君もシンデレラになったね」
店員と美容師が並んで嬉しそうに私達を見ていた。
「おふたりとも完璧すぎます。ちょっと記念に写真を撮ってもいいですか?」
「え?」
「並んでください」
彼は私に腕を向けた。私は彼の腕におずおずと手をかけた。
「素敵です。楽しんでいらしてくださいね」
私達は苦笑い。だって、彼はお仕事なのだ。楽しむなんて無理に決まっている。
ホテルの大きな広間が会場だった。
さすが外務省が入っているだけはある。出席者の半数近くが外国人だった。英語だけでなく、他の言葉も飛び交っている。緊張した。
すると、受付の近くにいた女性が、藤堂さんを見て近づいた。彼も私を引っ張っていく。
「あら、藤堂。やっと来たと思ったら本当に自分でお相手を連れてきたのね。そちらの美しい女性はどなた?紹介して頂戴」
見たことのある人だった。今日は素敵な黒いロングドレス。
あのとき、私に本部長のセクハラを訴えるようにアドバイスしてくれた人だった。玲さんの上司という人だろう。
「木下さん。紹介します。蔵原琴乃さん。僕の大切な人です。完全予備校で英語講師をしています」
靴を履いたころに、彼が入ってきた。目が釘付けになった。
「玲さん、素敵です。本当の王子様みたいだわ……」
彼は王子様よろしく、私に手を差し伸べてくれた。
「君もシンデレラになったね」
店員と美容師が並んで嬉しそうに私達を見ていた。
「おふたりとも完璧すぎます。ちょっと記念に写真を撮ってもいいですか?」
「え?」
「並んでください」
彼は私に腕を向けた。私は彼の腕におずおずと手をかけた。
「素敵です。楽しんでいらしてくださいね」
私達は苦笑い。だって、彼はお仕事なのだ。楽しむなんて無理に決まっている。
ホテルの大きな広間が会場だった。
さすが外務省が入っているだけはある。出席者の半数近くが外国人だった。英語だけでなく、他の言葉も飛び交っている。緊張した。
すると、受付の近くにいた女性が、藤堂さんを見て近づいた。彼も私を引っ張っていく。
「あら、藤堂。やっと来たと思ったら本当に自分でお相手を連れてきたのね。そちらの美しい女性はどなた?紹介して頂戴」
見たことのある人だった。今日は素敵な黒いロングドレス。
あのとき、私に本部長のセクハラを訴えるようにアドバイスしてくれた人だった。玲さんの上司という人だろう。
「木下さん。紹介します。蔵原琴乃さん。僕の大切な人です。完全予備校で英語講師をしています」