彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
 幸せそうなふたり。玲さんは相変わらず女性客に囲まれている。本当にモテるんだろう。

 あの容姿だし、英語も堪能。背も高くて180センチくらいある。海外の男性にも全く引けをとらない。

 そうこうしているうちに、主役ふたりに挨拶へ来た人たちが後ろに並んでいる。留美ちゃんは私に言った。

「琴乃ちゃん、一人で大丈夫?」

「うん、大丈夫よ。心配しないで。お料理もおいしそうだし、お腹がすいたからたくさん食べようかな」

「うん。是非たくさん食べて行ってね。特に、あとから出るケーキが美味しいの。楽しみにしていて」

「ありがとう」

「またあとでね」

 ふたりは手を繋いでいなくなった。

 料理は本当においしそうだった。お皿にたくさん盛ると、パラソルの下に用意されている席へ座った。周りは皆立って色んな人と話している。

 食べようとしたときに、三人組の男性客が私の所に来た。

『こんにちは。お隣いいですか?』

『はい』

 すると、両隣に二人が座り、一人が目の前に立った。気づくと囲まれてしまっている。

『君は日本人だよね。留美のお友達かな?』

『はい、そうです』

『君すごく綺麗だね』

 また、お世辞がはじまった。そういえばウインブルドンでも声をかけられた。日本人女性ってイギリスで人気なのかしら?もう一人の隣の男性が言った。

『僕ら君と会ったことなかったよね?留美の日本人のガールフレンドは何人か知っているけど、こんな綺麗な子がいたなんて知らなかった。僕ら君に釘付けだったんだ』

『あ、あの……』

 背中に彼の手が回った。私はびくっとしてそちらを向いて身体を引いた。
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