彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
 サイズはぴったりだった。鏡に映る自分を見て驚く。表情が柔らかい。

 私、昨日のことで変わった?好きな人から初めてサプライズのプレゼントをもらった。彼が好きという気持ちがあふれ、顔に出ている。

 どうしよう、抑えられない。自分が自分でなくなりそうだった。

 リビングに入った私を見た彼はとても嬉しそうに笑った。

「すごくかわいいよ、琴乃。よく似合う。ほらおいで」

「ありがとうございます……でも、買ってもらってばっかり……」

「好きな人にはいくらでもあげたいものだよ。それに僕は琴乃から夕べ特別なものをもらった。お金に換えられないものだ。君の一生に一度しか使えない大事なものじゃないか」

「玲さん……」

「コーヒーでもいい?」

「はい」

「昨日、散々紅茶は味見したからね」

 彼は小さな対面のキッチンに私を座らせると、コーヒーメーカーをセットして目の前に座った。ハムと卵焼き。それに焼いたパンがあった。

「ごめん、野菜がない」

「いいですよ」

 コーヒーを入れたマグカップをおいてくれた。

「いただきます」

「どうぞ」

 美味しかった。彼に言うと嬉しそうに笑った。
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