彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「実は彼女のイギリス観光をご案内したんです。その際、彼女が気に入っていた商品がこの間偶然手に入ったのでお持ちしました」
「そうですか。ありがとうございます」
「私は明日の朝、またイギリスへ戻りますので、ここで失礼します。琴乃さんにどうぞよろしくお伝えください。僕の方からもメールしておきます」
「はい。ありがとうございました。お通しもせず、申し訳ございません。どうぞお気をつけて」
丁寧なお母さんに見送られて、僕は駅に向かった。
琴乃に連絡すると、本当に驚いていた。そして怒られた。だが、時間がなかったことを聞いて謝っていた。
先に言ってくれていたら、送別会を早く切り上げて戻っていたと言われた。確かにそうだろう。驚かせたかっただけで、深く考えていなかった自分が悪いと謝った。
お母さんに僕のことを話していなかったことを謝られた。理由はそのうち話すと言われ、やはり何かあると思った。
* * *
「おい、玲。帰国していたらしいな」
イギリスに戻ってすぐ父から電話があった。
「なんで知ってるの?」
なんとなく想像はついた。外務省に父の知り合いは多い。帰国申請が出ていたのを誰かに聞いたのだろう。
「まあ、それはいい。実家に全く顔を見せず、内緒で帰国したなんて母さんに知れたらことだぞ。玲は年に一度のお土産を奮発しておけば大丈夫だと思ってるんじゃないだろうな?」
「父さんと一緒だよ……わかってるなら言うなよ」
「玲。野原君から言われたが、原口さんとは結局どうなってるんだ?」
僕は頭を抱えた。参事官自らが父に話したとは思わなかったのだ。
「彼は気をもんでいたぞ。原口さんは復縁の了承を事務所から得て、参事官まで巻き込んでる」
「父さん。原口さんとは終わってる。あちらにその気があっても、僕は今つき合っている人がいるから、絶対に日奈とやり直すことはない」
「つきあっている人がいるのか?参事官には話してないのか?」
「そうですか。ありがとうございます」
「私は明日の朝、またイギリスへ戻りますので、ここで失礼します。琴乃さんにどうぞよろしくお伝えください。僕の方からもメールしておきます」
「はい。ありがとうございました。お通しもせず、申し訳ございません。どうぞお気をつけて」
丁寧なお母さんに見送られて、僕は駅に向かった。
琴乃に連絡すると、本当に驚いていた。そして怒られた。だが、時間がなかったことを聞いて謝っていた。
先に言ってくれていたら、送別会を早く切り上げて戻っていたと言われた。確かにそうだろう。驚かせたかっただけで、深く考えていなかった自分が悪いと謝った。
お母さんに僕のことを話していなかったことを謝られた。理由はそのうち話すと言われ、やはり何かあると思った。
* * *
「おい、玲。帰国していたらしいな」
イギリスに戻ってすぐ父から電話があった。
「なんで知ってるの?」
なんとなく想像はついた。外務省に父の知り合いは多い。帰国申請が出ていたのを誰かに聞いたのだろう。
「まあ、それはいい。実家に全く顔を見せず、内緒で帰国したなんて母さんに知れたらことだぞ。玲は年に一度のお土産を奮発しておけば大丈夫だと思ってるんじゃないだろうな?」
「父さんと一緒だよ……わかってるなら言うなよ」
「玲。野原君から言われたが、原口さんとは結局どうなってるんだ?」
僕は頭を抱えた。参事官自らが父に話したとは思わなかったのだ。
「彼は気をもんでいたぞ。原口さんは復縁の了承を事務所から得て、参事官まで巻き込んでる」
「父さん。原口さんとは終わってる。あちらにその気があっても、僕は今つき合っている人がいるから、絶対に日奈とやり直すことはない」
「つきあっている人がいるのか?参事官には話してないのか?」