彼女はエリート外交官の求愛から逃れられない
「ええ。ごめんなさい。弟も久しぶりに帰ってきているから無理です」

「弟さんも同じ時期に帰るかもしれないと聞いてからすぐ予約したんだ。早めにチェックインしたいと相談してあった」

 確かに、そうなんだろう。まだ二時前なのにすんなりとチェックインした。

「……どうして?」

「どうして?琴乃と一晩中一緒ならいいけど、それは無理なんだから、こうするしかない。初詣より先に君を感じたい」

「え?うそ……」

 彼は私の手を握り、エレベーターホールへ歩いていく。

 エレベーターに入ると私を抱き寄せてすぐにキスを仕掛けた。久しぶりのキス。止められなかった。

 誰か来たらと思ったが、この時間だからか、到着階まで誰も入ってこなかった。

「……ん……あ……」

 彼は私を抱き寄せるとそのまま部屋へ行った。まさか、セミスイート?

「久しぶりなんだからたっぷり愛したい」

 彼が部屋を開けると、信じられないような光景が広がっていた。白一色の部屋。天蓋付きのキングベッド。白鳥のぬいぐるみがつがいで置いてある。

 彼に抱き上げられて、ベッドへ。もう止まらなかった。お互いで服を脱いであっという間に抱き合った。彼の指や手で乱される。

「ああ、あん……あー、あ、だめ、あん……」

「気持ちいい?こんなになって……ごめん、もうだめだ」

 彼は早急に攻めてきた。感じすぎておかしくなりそうだった。前は痛いと思ったが、今は恥ずかしいくらい気持ちが良かった。

「はあ、はあ、あああ……」

「ああ、可愛い、琴乃、琴乃……」

 彼に何度も求められた。彼はいつになってもそのままでどうなるんだろうと思った。溶けてしまいそうだった。
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