片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 圭信はこちらがいっぱいいっぱいな様子に気づき、申し訳なさそうに私が落ち着くまで待っていてくれた。
 どうやら、思い存分口づけを交わし合って満足したようだ。
 こちらに対する異常としか思えぬ感情は鳴りを潜め、普段通りの彼に戻ったように見える。

 ――よかった……。落ち着いてくれたみたいで……。

 私はほっと胸を撫で下ろすと、全身から力を抜いて圭信の胸元に身体を預けた。

「これからの話だが。ご両親へ挨拶をしたあと、すぐにでも入籍したい」
「今日、このまま挨拶に行くってこと?」
「先方の都合もあるだろう。1週間以内が目標だ」
「来週の土日は仕事だから、無理だよ?」

 イルデンは娯楽施設だ。
 学校が休みの休日はかきいれ時。
 アルバイトの都合がつかないともなれば、シフトの穴を埋めるのはいつだって社員の私たちとなる。
 急に希望休など取れるはずがないと言ったところ、圭信は露骨に嫌そうな顔をした。

「今からご両親へ挨拶するのは、あまりにも非常識すぎる」
「じゃあ、1か月後でもいい?」
「そんなに待てるわけがないだろう」
「仕方ないじゃん。先に籍だけ入れちゃえば?」
「事後報告などあり得ない。心象が悪くなるのは明らかだ……」
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