片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 私達は自宅から歩いて10分ほどの複合型ショッピングモール、ミレニアムタワーモールへやってきた。
 彼は近くの衣類量販店に足を踏み入れると、婦人服売り場で私に似合うコーディネートを物色し始める。
 圭信は昔から柄物よりも無地の服を好んでおり、シンプルに大人っぽく着こなしている姿が印象深い。
 恐らくそれに釣り合うような、無難な洋服を提案するつもりなのだろう。

 ――なんだか、ドキドキしてきた。

 彼が迷いのない動作でハンガーにかけられた衣服を引っ掴んでこちらに手渡す姿を観察していれば、さっそく試着室へ向かうようにと指示が飛んでくる。

「まずはこれに、着替えてくれ」
「はーい!」

 素直にそれを受け入れ、個室で着替えを行う。

 最初に私が試着したのは、学生時代であれば身につけた瞬間に「ダサくて動きづらい」と文句を言いながら裾の長さを折り曲げて調整していたであろう、黒のロングスカート。
 半袖の白いワイシャツを合わせた、シンプルな白黒コーデだ。

 ――こう言うのって確か、オフィスカジュアルって言うんだよね。

 鏡の中の私は、いつもの派手な格好に見慣れているせいか。
 どうにも違和感が拭えなかった。
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