片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「僕は君を、友達だと思ったことは一度もない」

 私とは真逆の言葉を口にした圭信から睨みつけられ、呼吸が止まった。

 ――今のは言い方が悪かった。
 友達ではなく、婚約者と称するべきだったのだ。
 だけど、学生時代に彼と交流を深めていなければ、こうして大人になって再会しても気持ちを通じ合わせることはなかった。
 そう思うからこそ――この答えは間違っていないと胸を張り、彼の視線に受けて立つ。

「初対面から、好きだったんだぞ」
「それはこの間、聞いたよ」
「やっと、婚約者になれたのに……。君にとって僕はまだ、友人というカテゴリの中から抜け出せないんだな……」

 今にも泣き出しそうなほどに目元を緩めて複雑な表情をする圭信の横顔を確認した私は、慌ててそんなふうにショックを受ける必要はないのだと慰めるように声を発した。

「ねぇ、圭信。ほんとにそう思っているなら、彼シャツを着て職場と自宅を往復なんてしなかったよ」
「なら、あの発言の意図はなんだ」
「うーん。うまく説明できるか、わかんないんだけどね……?」
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