片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 こうして2人が険悪な雰囲気になっているのは、私が言葉選びを間違えたせいだ。
 自分が声を発すれば、さらに拗れる可能性が高い。
 それが恐ろしくて堪らなかったが――怖がっていたら、いつまで経っても前には進めない。
 だから私は勇気を出して、ずっと心の内に秘めていた想いを吐露する。

「私は学生時代、圭信の気を引く為に校則違反をしてたから……」
「なんの話だ」

 圭信は低い声で凄むと、こちらに怪訝な視線を向ける。
 私はそれから逃れるように顔を逸らし、ボソボソとか細い声で説明した。

「圭信と、仲良くなりたくて……」
「僕と? 君が?」
「それで。わざと、ネイルとか短いスカートを改善しなかったんだよね……」
「待ってくれ。では、僕が愛奈を叱りつけていたのは……」
「本気で私の外見を改善させたかったら逆効果だった、みたいな……?」
「はぁ……」

 彼は呆れたようにため息を零すと、頭を押さえつけた。
 どうやらようやく、自身の勘違いに気づいたらしい。
 私はその誤解を完全に解くため、言葉を重ねた。

「学生時代のそういうやり取りが合ったからこそ、私達は婚約者になれたんだよ。それが喜ばしいって話で……」
「君は悪魔か」
「私は、ヴァンパイアの下僕だよ?」
「職場での設定は聞いていない」
「ご、ごめん……」
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