片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 一度は普段通りの反応を示した圭信はすぐさま不機嫌そうにこちらの言い分を拒絶すると、黙り込んでしまった。
 反射的に謝罪を口にすれば、複合型施設から外へ出るため再び歩き始めた。
 彼に置いて行かれないよう、私は必死に追いかける。

 ――その直後、圭信の口からある疑問が紡がれた。

「今、僕の抱いている気持ちがわかるか」
「今さら、そんなこと言うなんて卑怯だ……?」
「違う」
「え、そうなの?」
「コミュニケーション不足だと気づけなかった自分が、情けない……」

 彼は悔しそうに唇を噛みしめると、目に見えて落ち込む。
 そんな彼を勇気づけるため、私は笑顔で声を発した。

「いいじゃん! 終わったことなんだしさ?」
「よくない。愛奈は、楽観的すぎる」
「そんな私が、圭信は大好きなんでしょ?」

 圭信はそれを肯定するように頷いたあと、不機嫌そうに唇を尖らせた。
 ――あ。今の表情。不貞腐れた子どもみたいでかわいいな。

 婚約者のころころと変化する姿にときめいていれば、彼は私に対する想いを口にした。
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