片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 名を、戸川圭信という。
 毎年、年末年始の挨拶くらいはやり取りを続けていたが……。
 顔を合わせるのは、高校の卒業式以来だ。
 名前を呼ばれただけでは、誰かわからないのも無理はなかった。

「君は一体、何をしたんだ……」
「あはは。空き巣に入られちゃって。下着を盗まれた、みたいな……?」

 私は学生時代、校則違反をしまくる不良少女だった。
 彼は恐らく、こちらが被害者ではなく加害者だと勘違いしているのだろう。
 その誤解を解くべく苦笑いを浮かべて説明すると、圭信は一緒にやって来た警察官の人たちへ室内に入るように命じた。

「今から僕が、君に事情聴取を行う」

 今は同級生ではなく、警察官と被害者だ。
 真面目が服を着て歩いているような男であるからこそ、仕事をほっぽり出して、呑気に私語などできなかったのだろう。
 彼はそう口にすると、無表情で私に問いかけた。

「ここに至るまでの経緯を、話せるか」
「もちろん!」

 元気よく挨拶をすると、通報に至るまでの経緯を説明した。

「仕事から帰ってきたら、こんな状況で……。最近、職場でも下着泥棒が流行っているって聞いたから、そっち経由から連絡したんだ」
「なるほど。それで、イルミナティ・ガーデン経由で通報があったんだな」
「うん」
「君の名前を聞いた時、肝が冷えた」
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