片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
このまま2人で圭信の帰りを待っていたら、喧嘩になりそうだ。
お父さんと庭で話をしている婚約者を迎えに行こうと決めた私は、玄関から靴を履いて外に出る。
――そこには一定の距離を保ちながら小声で会話をする、男性陣の姿があった。
何を話しているかまでは、ここからではよく聞こえない。
一体、なんの話をしているのだろう……?
音を立てないように気をつけながら、彼らの元へ向かった。
「いいか。娘を嫁にやるんだ。泣かせたらどうなるか……」
「心得ています。僕は……愛奈?」
――圭信が何かを言いかけた直後、2人の視線が不自然にこちらへ向けられた。
さすがは現役の警察官だ。
素人がどれほど気配を消しても、俊敏にその異変を察知できるのだから。
「ご、ごめんね? 邪魔しちゃった?」
申し訳なさそうに想い人の顔色を窺いながら近寄れば、彼は左右に首を振って口元を綻ばせた。
「いや……。どうした? 何か、あったか」
「お母さんと2人きりだと、耳の痛い話ばっかりされるから。耐えられなくて、逃げて来ちゃった」
「それは……」