片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 こちらのやることなす事に、まるで小姑のように文句を言う。
 皆はそう言う神経質で曲がったことが許せない圭信を融通の効かない奴だって嫌うけど、私は横暴で冷徹にしか見えない彼から垣間見える優しさが、好きだった。

「通帳に実印、金目のものは……。全部ある。やっぱり、盗まれたのは下着だけかも……?」
「わかった。念の為、クレジットカードなどは新しいものに変更するように。それから――」
「ちょ、ちょっと待って! そんなにいっぺんに言われても、覚えきれないよ……!」
「まったく……。君は相変わらずだな……」

 圭信は呆れたように肩を竦めると、小さく頷いた。

「わかった。何もしなくていい」
「ほんと? やったー!」
「現場検証は、以上だ。長々と付き合わせて、悪かったな」

 圭信は室内で作業をしていた警察官たちに呼びかけを行うと、あっと言う間に彼らは撤収作業を済ませる。
 そして、何事もなかったかのように頭を下げた彼は、来たときと同じように連れ立ち、この場から去って行った。

 ――8年ぶりの再会だったのに、その態度はないんじゃないの? 

「なんだかなぁ……」

 もっとこう――会えて嬉しかった、とか。
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