片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 肌を重ね終えたあと。
 その余韻に浸る圭信の姿を笑顔で観察していたら、背を背けられた。
 どうやら、私には見られたくないらしい。

「そんなに隠そうとしなくたって、いいじゃん。私は圭信の新たな一面が見られて、嬉しいよ」

 こっちを見て欲しくて、夫の腰元に勢いよく飛びつく。
 こちらをゆっくりと振り返った彼は――泣くべきか、喜ぶべきかわからない表情をしていた。
 そんな圭信の身体を優しく擦りながら、私は彼に言い聞かせる。

「不安になる必要なんて、ないからね?」
「しかし……。君はいつまで経っても、僕に愛を囁いてくれないじゃないか……」
「そのうち気恥ずかしさがなくなって、大好きを伝えられるようになると思うから。それまで待っててよ」
「君は鬼だな……」
「片想いで居続けた21年間に比べれば、瞬きするほど短い時間だと思うよ?」
「悪魔だったらしい……」

 この短期間で私の印象が鬼から悪魔になるなんて、酷いなぁ。
 項垂れる圭信は、立っているだけでも様になる凛としたかっこよさは欠片も存在しない。
 普段の彼へ戻すためには、やはり私が夫を好きで堪らないのだと態度で表す必要があるのだろう。
 そう結論づけた私は上半身を起こすと、彼の頬に優しく触れて言い聞かせる。
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