片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「そのうち圭信のこと、大好きモンスターになるから」

 圭信は首だけを動かして、信じられないものを見るような目でこちらへ視線を移す。
 普段通りの不機嫌そうな表情が見れて何よりだ。
 私は彼を茶化すように、声を発した。

「かっこいい部分だけじゃなくてさ?」
「僕は君に、好かれるような部分など……。どこにも……」
「弱いところも、愛させてよ」

 これで無理だと騒いでくるようなら、毎晩アルコールを飲ませて弱みを握るしかない。
 そんな覚悟とともに行った提案は、あっさりと受け入れられた。

「愛奈……」

 圭信は私の言葉に感動したようだ。
 こちらの名を呼んだあと、顔を近づけてくる。

 ――眼鏡をしたままキスして、大丈夫?
 ゴツンって、当たんないのかな?

 そんな不安をいだきながら、じっと黙って唇が触れ合うのを待っていたが――。

「痛……っ!」

 すぐさま、恐れていた事態が現実のものとなった。
 眼鏡のレンズが額にあたり、私は思わずそこを抑えて悶絶する。
 圭信はすっかりその存在を忘れていたようで、申し訳なさそうに眉を伏せて謝罪をした。
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