片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 その光景を想像して、ドン引きしてしまうのは無理もなかった。
 薊はこちらの反応を想定していたようで、呆れたように肩を竦める。

「異常なんてもんじゃないわ。あれは……」
「なんと言うか……。ありがとう……?」
「どういたしまして。幸せになりなさいよ」
「それは、もちろん。でもさ……。どうやってそんな酷い状態の圭信を、立ち直らせたの?」

 純粋な疑問を口にすれば、つまらなさそうにグラスを揺らした彼女が答えてくれる。

「そこは、愛の力としか言いようがないわ。委員長は、愛奈のためならなんでもできるのよ」
「ちょろいってこと?」
「まぁ、それでもいいわ」
「そっかー」

 ――愛の力、かぁ。いい響きだなぁ。

 薊の口から語られる内容に感動し、心がぽかぽかと暖かな気持ちに包まれながら幸せいっぱいになっていれば――。
 そんなこちらのニヤけ顔に苛立ったようで、目の据わった彼女に凄まれた。

「今度はあたしの愚痴、聞いてもらうわよ」
「はーい」

 圭信の件で散々迷惑をかけたのだ。
 それくらい屁でもないと、私は木賀くんに対する愚痴を聞く。
 すると――あっと言う間に、時間が過ぎていった。
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