片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「そろそろ、帰ろっか?」
「全然飲んでないのに!?」
「2人で飲んだら、収集つかないし……」
「あたしだけ、酔っ払ってるなんてぇ……!」

 負けず嫌いな彼女は悔しそうに唇を噛みしめると、千鳥足で席を立つ。
 私は薊の肩を支え、会計を済ませて店の外へ出た。

「おっと。ちょうどいいところに」

 すると、壁に寄りかかって私達を待っていた木賀くんに声をかけられる。
 薊ではなく私に向かって入り口近くのベンチを顎で指し示すあたり、何を伝えたいかは言葉にしなくてもわかった。

「回収、よろしくな」

 ――圭信がまたみんなに迷惑をかけたかもしれない。
 そんな予想をつけ、そちらへ視線を向ける。すると――。

「圭信!」

 木賀くんの隣には眼鏡を外して、長椅子に座る夫の姿があった。

「愛奈……?」

 ――彼は焦点の合わない瞳で、こちらを見つめていた。
 恐らく、声で私が誰かまではわかっても視力が足らなくてぼやけているのだろう。

「なんで、眼鏡……。何かあったの!?」
「何もないが」
「でも! 木賀くんが回収頼むって……!」
「彼の勘違いだ」
「そうなの?」
「ああ。腹を割って話す時は、視力など必要ないからな」
「どう言うこと?」
「男子会だけの秘密」
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