片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 ――もったいぶらないで、教えてくれたっていいのに。なんだかなー。
 モヤモヤとした気持ちを胸にいだいていれば、彼は肩を竦めて立ち上がる。

「行くぞ」

 その後、胸ポケットに仕舞ってあった眼鏡をかけ直して私の手を引いた。

「ねぇ。何話してたの?」
「大したことではない」
「……弱いところも隠さないって、言ったじゃん」
「しかし……」
「私はみんなから聞いたよ。精神的に、危うい時があったって」

 私達は居酒屋からタクシーを拾って、車に乗り込んだ。

「……ああ。この間、話しただろう」
「うん。ありがとう。打ち明けてくれて」
「お礼を言われるようなことでは……」
「私もみんなと同じくらい、信頼してもらえるように頑張るね」
「僕の一番は……っ」

 暗い表情で言葉を紡いでいた彼はこちらをじっと見つめ、バツが悪そうに言葉を紡ぐ。

「……愛奈、だけだ。勘違い、してもらっては困る」
「うん。知ってるよ」

 私達は仲がいいけれど、誰だって一番に優先するのは愛する人だ。
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