片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
『園内全エリア、緊急避難レベル5を発令します』
――その直後。
無線を通じて、全クルーに緊急事態宣言がなされた。
これは自然災害などが起きた際に発令されるアナウンスだ。
レベル5は最大となり、すべてのアトラクションが停止して屋内待避を命じられる状況だ。
私は状況が飲み込めず、こちらの様子を窺っている家族連れに向かって声を荒らげた。
「緊急避難レベル5が発令されました! アトラクション内への迅速な移動に、ご協力をお願いします!」
「――ヴァンパイアの館内部はまだ、余裕があります!」
「皆さん! 急いで!」
2人で一緒になって叫べば、ただ事ではないと判断したのだろう。
遠巻きにこちらの姿を観察していた人々は、どうにか私達の指示に従ってくれた。
「さすがはテーマパークだね。緊急時の予行練習は、しっかりしていたか……」
「このあたりにはもう、私とあんたしかいない! 好きなだけ、暴れたら!?」
緊急非常事態が発令された以上、本部も異変が起きていると把握したはずだ。
そう遠くない未来に、ここで働いている私服警官達が駆けつけてくれる。