片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「あー……。なるほど……。それで、お父さんを恨んでて……。娘の私を加害すれば、復讐が成功するって思ってるんだね……?」

 圭信はこの状況に思うことがあるようで、唇を噛み締めてぐっと何かを耐えていた。
 顔色は青色を通り越して土色で、今にもここを飛び出して行きそうな危うさがある。

「ねぇ。そんなに責任、感じなくていいんだよ?」
「僕は愛奈を守ると決めた! なのに……! 口先だけの自分が、許せない……!」
「これは圭信のせいじゃなくて、どっちかって言うとお父さんが悪いわけだし……」
「君の綺麗な髪だって、切り裂かれてしまった……!」
「また、伸ばせばいいじゃん」
「僕達の到着が遅れていれば、死んでいたかもしれないんだぞ……!?」

 圭信は再び自分の無力さを痛感し、どうにかなってしまいそうな雰囲気を醸し出している。
 ――困ったなぁ。
 私はその気持ちを隠すことなく、素直にぶつけた。

「思い詰めている暇があるなら、犯人を捕まえるために全力を尽くそう?」
「愛奈……」
「美久ちゃんは、イルデンにいると思うの。木賀くん。協力、してくれないかな?」
「そりゃ、もちろん……」
「駄目だ」
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