片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 2つ返事で了承した同級生の言葉を遮ったのは、夫だった。
 彼は苛立ちを隠せない様子で押し殺した声を響かせる。

「君をあの女と引き合わせて、再び危機的状況に陥ったらどうする」
「そうなった時は、圭信が止めてくれるんでしょ?」
「そうだが……」
「委員長。ここは身を引くんじゃなくて、任せろって言う所だぜ?」

 私から視線を逸らした圭信は歯切れの悪い言葉を口にしたが、意外にも木賀くんは私の味方になってくれた。

「仕方がないな……」

 彼は渋々、頷いてくれた。
 このタイミングを逃すわけにはいかない。
 私は持ち場を離れる許可を得る為、無線を使って本部に連絡を取った。

「ヴァンパイアの館、クルーの豊臣です。A968(凶器所持)F28(不審者)ですが、K224(警察)が確保しました。事情聴取を受けることになったので、持ち場を離れてもいいですか?」
『本部了解。シフト交代を許可します。後任クルーに引き継ぎを行ったあと、離脱してください』

 クルー間での無線連絡は会話を聞いたゲストが不安にならないように、一部単語は緊急コードと呼ばれる英数字の羅列を使って会話を行う。
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