片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 私は同じくらい、圭信のことが好きだったのだと。
 だから今は、胸を張って言える。

「愛してるよ、圭信。おじいちゃんとおばあちゃんになるまで、ずっと一緒にいてね」

 圭信は今まで自分が一方的に狂愛を捧げているとばかり思っていたから、私の口から愛の言葉が紡がれるなど考えもしなかったようだ。
 瞳の奥には、さまざまな気持ちが浮かんでは消えていく。

 私を誰にも渡したくないと思う強い執着心。
 いつから好きなのかと疑う気持ち。
 夢でも見ているのではないかと簡単には受け入れられず、二の句を紡げない姿――。

 そのどれもが、愛おしくて堪らない。

「あはは。圭信、凄く動揺してる。好きじゃなかったら、結婚なんてしてないよ?」

 彼と結婚をしたのは、強要されたからじゃない。
 そう伝えれば、圭信は怒気を孕んだ低い声で唸る。

「僕が20年間……! どんな気持ちで、過ごしていたか……!」
「わかんないよ。でも、想像はできる」

 彼は拳を握りしめると、唇を震わせた。
 私に対する屈折した想いをかかえる姿は、手負いの獣にしか見えない。

 ――言い争いになるのだけは避けなくちゃ。

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