片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「ヴァンパイアの館へ、ようこそー」

 刃物騒ぎから1か月。
 犯人が無事に逮捕されたからか。
 下着泥棒の被害報告はピタリと止み、施設内には平和が訪れた。

 ――あれがトラウマになって、出社できなくなったらどうしようかと思ったけど……。

 今の所は、いつも通り元気にヴァンパイアの館を守るガーディアンとして働けている。
 変化があったとすれば、自主退職を余儀なくされた美久ちゃんの穴を埋めるため、アルバイトが数名新たに雇われたことだろうか。

「げ、現在、10分待ちでご案内しております……!」

 長い間ここで働いているせいか。
 羞恥心などとっくの昔にどこかへ消え去っている私とは違い、新人ちゃん達は生まれたての子鹿みたいにブルブルと全身を震わせてアナウンスをしていた。
< 219 / 225 >

この作品をシェア

pagetop