片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「愛の重い圭信も、かわいいから好きだよ」
「う……。そこは、かっこいいと言ってほしかった……」

 不貞腐れたように視線を逸らす夫が、愛おしくて堪らない。
 思う存分普段は触れる気にならなかった彼の筋肉質な身体を撫で回していると、彼はびくりと全身を震わせた。

 ――圭信も私に触れている時、こんな感じなのかな?

 自分の中にある嗜虐心が刺激されるような感覚に陥った私は、小首を傾げて彼に問いかける。

「情けない旦那様が好きって、言われるほうがいい?」
「それはもっと嫌だ」
「あはは。キリッとした顔。いつもの圭信だー」

 不機嫌ですと全身で言い表すその表情は、まったく交流がなければ怖いと思う。
 しかし――私は彼の妻で、長い間ずっと圭信を想い続けていたのだ。
 そんな表情すらも愛おしいと思えるくらいには、夫のことが大好きだった。

「どうしていつも通りに、そんな歓声を上げるのか……。僕はさっぱり理解できない」
「そんなの、決まってるじゃん。嫌そうな顔をしている圭信も、私にしか見せない熱を帯びた瞳の旦那様も、全部ひっくるめて大好きだからだよ?」

 圭信は何気ない私の告白を耳にして、露骨に狼狽えた。

 ――耳まで真っ赤にしちゃって、かわいい。
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