片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 彼はどんなにそこへ口づけても大した反応を示さない私に苛立っているようで、色っぽい吐息を吐き出したあとにようやく身体を離す。
 その後、低い声で予定を口にする。

 ――この電話が終わったあとが怖いなぁ……。

 私は戦線恐々としながら、勢いよく上半身を起こして木賀くんと話を続けた。

『了解。んじゃ、来週日曜、19時スタートで。居酒屋集合な。場所とメンバーはまた連絡する』
「了解。ねぇ、木賀くん――」
「愛奈」

 彼が低い声で私の名を呼んだ瞬間、スマートフォンが奪われる。
 通話は遮断され、2人の間に気まずい沈黙が流れた。

「圭信の許可なく電話に出たこと……。怒ってる……?」
「真っ先に問いかけるべき内容は、他にあるだろう」
「そんなの、あったっけ?」

 ――どうして襲ってきたの? なんて問いかけて……。ムラムラしたから、なんて言われても困るし……。

 今すぐに白黒はっきりつけるのが恐ろしくて首を傾げれば、圭信は私上から退く。

「気にしていないなら、それでいい。少し、頭を冷やしてくる」
「うん。行ってらっしゃい……?」
「ああ。合鍵は、戻ってきたら渡そう。それまで、マンションから出るなよ」
「はーい」
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