片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 私はひらひらと手を振って、何事もなかったかのように寝室を出ていく彼を見送った。

 ――びっくりした……。

 どさくさに紛れて首筋を舐め回したり、キスしたり……。
 まるで恋人みたいに触れてくるから、どうしようかと思った。

 ――あんなことされたら、勘違いしちゃうじゃん。

 私は先程の感覚を思い出し、再びベッドに身体を投げ出してゴロゴロと転がる。
 彼の唇が触れた場所が熱を持ち、全身が幸福感に包まれていた。

「私以外にもああ言うこと、してんのかな……」

 自分以外の女性に口づけている圭信の姿を思い浮かべた直後、モヤモヤとした想いでいっぱいになる。
 これは駄目だとその思考を中断し、目元を手で覆いながら言葉を吐き出す。

「あー。駄目だ……。圭信を独占したいなんて思う資格、私にはないのに……!」

 こんなふうに思い悩む羽目になったのも全部、はっきりと好意があると言葉にせず態度で表してきたあいつのせいだ。

 ――忘れようと思った。
 正反対な私達が付き合ったって、うまくいくはずがない。

 ――これ以上仲良くなったら、駄目だと思った。
 別れる時が、つらくなるから。
< 38 / 225 >

この作品をシェア

pagetop