片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「僕らにそんな概念は……」
「労働基準法は、しっかり守らなくちゃな! さー。飲み食いしながらきっちり60分、話を聞かせてもらうぜ?」

 ――プライベートな時間に改めて話しかけてくれなど、言わなければよかった。
 そう後悔しても、後の祭りだ。
 僕はあっと言う間に木賀の策略に嵌り、食堂へ連れて行かれてしまった。

「で? なんか進展、あったか?」
「同棲に成功した」
「マジか! さすが委員長! 長年の想いがようやく成就しそうで、何よりだぜ」
「君が想定しているように何もかもがうまく行けば、苦労はしない……」

 各々食事を頬張りながら椅子に座った僕達は、顔を突き合わせて近状報告をする羽目になった。

 ――なぜこんなところで、プライベートな情報を彼に開示しなければならないんだ……。

 そんな不満がないわけではなかったが、聞かれるうちが花だ。
 ため息をつきたい気持ちでいっぱいになりながら、木賀の疑問に答える。

「んー? 今って、幸せの絶頂期にいるんじゃねぇの? 家に帰ったら、愛しの豊臣がいるのに? ずっと、夢だったんだろ?」
「自身の想いを押さえつけるのに苦痛を感じる日が来るなど、思わなかった……」
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