片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
そして、腕を組んで密着するだけでは飽き足らず――指先を絡め合う。
恋人繋ぎをされた私は、柄にもなく頬に熱が灯るのを感じた。
「行くぞ」
「う、うん……」
彼は恥ずかしげもなく堂々とした態度で私にそう声をかけると、改札に向かって歩き出す。
――ドキドキしている自分が、馬鹿みたいじゃん……。
好きな人とベッドの上以外で密着できるなど、またとない機会だ。
なんとも言えない居心地の悪さを感じつつも、それを態度に出さないように気をつけながら満員電車に乗り込んだ。
「普段も、すし詰め状態の中で帰路に就いているのか」
「ここ、階段の近くだから……。先頭か後方なら、もう少し余裕が……」
「今度から、タクシーを使え」
「ええ? やだよ。高いもん」
「金は僕が出す」
「いくらかかると思ってるの? 30分くらい、平気……」
問題ないと説明する声が止まったのには、理由がある。
こちらに向かい、不自然に伸びてくる男性の肘が目に入ったからだ。
圭信は露骨に眉を顰めると、当然のように強い力で押し返してくれる。
「油断も隙もないな……」