片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む

 飲み物のあとは、おつまみに焼き鳥やら手羽先やらがテーブルの上に並べられる。
 私はそれらを箸で突きつつ、圭信にある提案をした。

「そんなに言うならさ、選んでよ」
「何を」
「上着とか。服?」

 今すぐに服の系統を全部纏めて交換するのは難しいが、明日以降なら改善できる。
 彼好みの服を着るのも悪くないかと思って誘えば、圭信にとっては想定していなかった内容であったようだ。
 なんだかよくわからないが、目を見開いて固まってしまった。

 ――こっちは勇気を出して譲歩したのにさ。
 その反応は、酷くない? 

 思わず口から飛び出そうになった文句を、ノンアルコールで胃の中へ流し込む。
 すると、成り行きを見守っていた木賀くんと薊のヒソヒソ声が聞こえてきた。

「なぁ。女子からデートに誘うって、ありなのか?」
「よかったじゃない。うまくまとまりそうよ」
「会話になってなくね?」

 端からみれば、私達の会話はデートへ誘ってるように聞こえるらしい。
 こちらとしてはまったくそんなつもりはなかったのに、不思議な話だ。
 でも……。周りがそう思うのなら、圭信も誤解をしている可能性が高い。
 私はすぐさま、その勘違いを解こうとしたのだが……。
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