片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 彼の機嫌を直さないと、あとが怖い。
 そう考えたわたしは、甘えた声で圭信を呼んだ。

「委員長ー」
「僕はもう、委員長ではない」
「じゃあ、刑事さん?」
「職業で呼ばないでくれ」
「うーん。警視!」
「コントじゃないんだぞ」

 呼び方を昔に戻すのも悪くないと実践してみたのだが、圭信には不評だったようだ。
 彼は全ての内容に辛辣な返答をしたあと、すっかり冷めてしまった焼き鳥に手を伸ばす。
 このやり取りを見ていた木賀くんと薊は、微笑ましそうな視線をこちらに向けた。

「ほんと、お前らって仲がいいよな」
「まさに、阿吽の呼吸ね。付き合えば、案外うまくいくかもよ?」

 薊から圭信と交際したらどうだとニヤニヤとしながら言われた私は、一瞬固まる。
 ここでいつものように冗談めかして「私と圭信が付き合うなんてあり得ないよ」なんて返そうものなら、いい感じで進展しかけている2人の関係は冷え切るだろう。
 最悪の場合は、家を追い出されてしまうかもしれない。
 ここの解答は、絶対に間違えられなかった。

 圭信が嫌な顔をしなくて済むような、100点満点の言葉を導き出す必要がある。
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