片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 ここは黙って、身を引くべきだと考えたのだが……。
 圭信はおもむろに店員呼び出しボタンを押すと、やってきた男性に向かって追加注文を行う。

「――すみません。生中ください」

 飲酒を断ったはずの圭信が生ビールの中ジョッキを注文するなど、夢にも思わない。
 私達3人は彼の顔を凝視し、その意図を探る。

「ちょっと。どうするのよ」
「あれ、キレてねぇか?」
「私のために、注文してくれたんだ? 気が利くじゃん! さすが圭信!」

 三者三様の言葉を吐き出した直後、会話が成立していないことに気づいて誰もが顔を見合わせた。

「委員長が倒れたら、面倒見ろよー」
「え? なんで?」
「豊臣のせいだから」
「私、なんもしてないけど……?」

 木賀くんに苦言を呈された私が首を傾げれば、隣の薊が呆れたように肩を竦める。
 その間、圭信は無言で注文した商品が来るのを待っていた。

 ――気まずい沈黙が、場を満たしている。

「お待たせしました! 生中です!」

 そんな重い空気を切り裂くように、元気いっぱいの店員さんがやってきた。
 彼の元へ生ビールを置くと、あっと言う間に去って行く。
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