片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「ずっと、君を僕だけのものにする機会を、窺っていたんだ……」

 アンニュイな表情で誰かに対する想いを語る彼は、完全に目が据わっていた。

「ええっと……。圭信? 目の前にいるのは、私なんだけど……。ちゃんとわかってる……?」

 空のグラスをじっと見つめる景儀は、誰がどう見たって酔っている。
 つまり、正常な判断ができない状態だ。
 ここがどこで、周りに誰がいるかすらも認識できぬ可能性を考慮して話しかけたのだが……。
 彼はこちらの問いかけなど一切気にする様子もなく、ぽつりと呟く。

「愛奈……」
「うぇ!?」

 名前を呼ばれた私は、思わず素っ頓狂な声を上げて驚いた。
 心臓がバクバク言っているのは、彼が熱を帯びた瞳でこちらを見下して来たからだ。

 ――ちょっと待ってよ……。反則だって……! 

 オロオロと視線をさまよわせて薊に助けを求めたが、彼女は死んだ目で壁を見つめていた。あれは絶対に、私達とは関わりませんと言うポーズだろう。

 ――この、裏切り者……! 

 私は叫び出したい気持ちでいっぱいになりながら、覚悟を決めて彼と向き合うことにした。
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