片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 そんなの、わかるわけなくない? 

「そんな素振り、全然見せなかったじゃん……」

 ――私達って両片想いの状態で、20年間も進展がなかったってこと? 

 誰か嘘だと言ってほしくて幼馴染コンビに助けを求めたが、薊はやっと自覚したかと言わんばかりに辛辣な言葉をぶつけてきた。

「愛奈が鈍感なだけよ」
「嘘だぁ……」

 信じられなくて呆然と呟けば、蚊帳の外に追いやられた圭信からの追撃がやってきた。

「僕の気持ちを疑うのか」

 彼は真剣な眼差しで、こちらをじっと見つめている。

 真っ直ぐな視線に射抜かれたせいだろうか。
 私の心臓が音を立てて荒ぶっているのに気づく。
 胸元を押さえつけて平常心に戻れと必死に言い聞かせながら、認めざる終えないよなぁと苦笑いを浮かべた。

 2人きりだったら、嘘に決まっていると騒いでいたかもしれない。
 しかし、幼馴染コンビは圭信が私を好きだと気づいているようだし、彼がこちらに好意を抱いているなど願ってもない話だ。
 ここでその想いを拒絶するなど、あり得なかった。

「あー……。ごめん。混乱してるだけ」
「よかった」
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