片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「やはり、僕が嫌いなのか……」
「そ、そんなこと言ってない!」
「なら、好きなんだな」
「う、うん……」

 できれば圭信に対する想いは、もうしばらく心の奥底に押し留めて置きたかったが――。勘違いをしたまま振られたとショックを受け、酒に溺れられては困ってしまう。
 渋々頷けば、圭信はご機嫌な様子で目元を緩めたあと、優しく口元を綻ばせた。

「よかった。愛奈も僕と、同じ気持ちだったんだな……」

 ――だかから! その表情は、心臓に悪いんだってば……! 
 手の甲を優しく撫でつける彼の指先を拒絶せずに受け入れた私は、再度圭信に帰宅を促した。

「……帰ろうよ。圭信」
「わかった」

 今度こそしっかりと頷いた彼は、覚束ない足取りで立ち上がる。
 その変わり身の速さには、驚きを隠せなかった。

 ――実はさっき一気飲みしたのは烏龍茶で、私との関係を深めるために店員を巻き込んで演技してたなんて言わないよね? 

 そんな疑いの眼差しを向けつつ、荷物を持って幼馴染コンビに一声かける。

「私達、先に帰るね」
「ごゆっくり~」
「末永く、お幸せに」
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