片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 今さら感動されても、困ってしまう。
 私とのこうしたスキンシップが好きなら、もっと早くにそう言ってくれればよかったのに。
 私はそんなモヤモヤとした想いを抱きながら、タクシーを捕まえて圭信とともに乗り込んだ。

「家に帰ったら、圭信の話したいこと、なんでも聞くから。今は、黙ってくれる?」
「愛奈、好きだ……」
「はいはい」
「今すぐ、抱きたい……」
「だから、駄目だって!」

 こちらに訝しげな視線を向けながら後部座席の扉を閉め、車を動かし始めたタクシー運転手の視線が痛い。
 度の過ぎたセクハラ発言を連発されたら、このまま交番へ連れて行かれてしまいそうだ。

「どうして君はいつも、僕の想いに気づかず……。この手をすり抜けてしまうんだ……?」

 どれほど言葉を重ねても自分の思い通りにならない現状を、どうやら圭信は憂いているようだ。
 切なそうに細められる瞳は捨てられた子犬にしか思えず、心の奥底では罪悪感が芽生えた。
 しかし――ここで彼の想いを受け止め、見知らぬタクシー運転手に迷惑をかけるわけにはいかなかった。

 ――頑張れ、私……!
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