片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 そう何度も自分に言い聞かせると、圭信の肩にこてりと頭を乗せて寄りかかった。

「今日は圭信が離れろって言うまでは、ちゃんと一緒にいるから」
「離さない。何があっても、絶対に。愛奈は、僕だけのものだ……」

 こちらが突き放すつもりはないのだと態度で表せば、彼もようやく落ち着きを取り戻したようだ。
 私の腰に腕を回して密着すると、大人しくなった。

 ――このまま寝てくれると、嬉しいんだけどなぁ……。

 それはそれで、15階までどうやって運んで行けばいいのか言う問題が生じる。
 ――大好きな人と長時間、こうして至近距離で触れ合える機会なんて……。
 ベッドの上でする添い寝くらいしかなかった。
 今は何もかも忘れ、思う存分堪能するのがいいのかもしれない。
 そう考えた私はタクシーが目的地につくまで、彼のぬくもりに包まれ――幸せいっぱいな時間を過ごした。
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