片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 私の知っている圭信であれば酔いが覚めたあと、自分はなんてことをしたんだと真っ青な顔で平謝りしてくるはずだから……。

「私はさ。ずっと一緒にいたいよ」
「僕も幸せな家庭を、君と築きたい」
「将来のことはよくわかんないけどさ……」
「頼む。抱かせてくれ」

 彼は壊れた人形のように、同じ言葉しか口にしなかった。
 ――もっとほかに、言うことないの? 身体目的なら、したくないんだけど……。
 こちらが難色を示せば、言葉足らずだと気づいたのだろう。
 圭信は私の目を見てはっきりと宣言した。

「一生大切にする」
「あのさ。肉体関係を持ったからって、絶対結婚するわけじゃ……」
「僕はしたい」
「だからさ?」
「告白の答えは、身体の相性を確かめたあとでも構わない」

 圭信は心が手に入らないなら身体から籠絡すれば、私を自分だけのものにできると本気で思っているようだ。
 そんなことをしなくたって、ずっと前から彼が好きなのにね。

「僕と寝たことを、後悔はさせない。頼む。この通りだ」

 こんなふうに口論を続ける羽目になったのは酔った勢いで告白してきた圭信のせいであり、いつまで経っても「好き」の2文字を口に出せない私のせいでもあるんだけど……。
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