【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


「認めたくれたら……いいんだけど」

 俺ももう子供じゃない。俺も前を向いたんだよ、父さん。

「俺にはもう、彼女しかいないんだ。……すごく、大切な人なんだ」

 父さんが母さんを愛したように、俺も彼女のことをとても大切に思ってるんだ。
 彼女のそばで、一緒に生きていきたいって思ってる。

「父さん……俺は父さんの息子で良かったって思ってるよ」

 父さんと母さんが出会わなければ、俺は産まれてこなかった訳だし。 母さんが出て行った時も、父さんは俺に寂しい思いをさせまいとずっと頑張ってくれていたのを、俺は知っている。
 休日には色々と連れてってくれたし、遊んでくれたし。そんな父さんのことを、俺はずっと尊敬してた。

「父さんともっと、話せば良かったな。もっともっと、色々と話せば良かった」

 今さら後悔しても遅いけど、もっとたくさん家族として話すべきだった。

「俺はな、父さん。父さんみたいな父親に、いつかなりたいって思ってるよ」

 そんな日が来たら、俺のこと褒めてくれるか? 

「父さんにも、菫花さんの手料理食べさせたかったな……」

 初めて菫花さんを父さんに紹介してからかれこれ三ヶ月くらいが経つけど、長くても一ヶ月くらいと言われていた余命も、少し長くなっていたのは本当に奇跡だ。
 先生から聞いた話だけど、父さんは先生にいつか言っていたらしい。 俺に大切な人が出来てから、少しずつ変わっていく姿が見れて嬉しい……と。

 息子が少しでも前を向いている証拠なような気がして、誇らしいと話していたらしい。
 そんな父さんが、俺にとっては誇りでしかない。

「父さん……本当に、ありがとう」

 俺は父さんの息子で良かったと、本当にそう思える。


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