【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!
「ええ? いや、進展も何も恋人のフリをするだけだし、それ以上何もないって」
「またまたっ! 何を言ってるのかしら、あなた様は」
私が「はい?」と聞き返すと、明日那は「恋人のフリなんてなかなか出来ないんだから、眞紀人くんとやらとデートくらいしたらいいじゃない!」と嬉しそうに話し始める。
「デート? いや、ないない」
そもそも、まだそこまで話進んでないしっ!
「何を根拠に?」
「何をって……ただ婚約者のフリをするだけだよ? それ以外に何かする必要ないと思うけど」
私はただ、眞紀人くんの彼女という設定になるだけだし、それ以外に必要性は特に感じない。
「アンタ、そんな機会なかなかないのよ? 年下のイケメンくんの彼女を演じるなんて、普通の人生においてないんだからね?」
「いや、まあ……それはそうかもしれない、けど」
「アンタはもはやラッキーなのよ? 年下のイケメンくんの彼女のフリをすることは、もはやラッキーなことなのよ!喜びなさい」
ら、ラッキー? うーん、そうなのかな……?
「私はね、菫花、アンタが羨ましいよ。 年下のイケメンくんに彼女のフリをしてほしいとお願いされること自体、すごく羨ましいわ」
「そ、そうかな。 なんかたまたま、そういう流れになっちゃっただけなんだけど……」
明日那の興奮具合からすると、きっとこれは恵まれているということを伝えたいのだろう。
離婚して一人になって、出会いを特に求めていない私ののことを、きっと心配してくれているからこその言葉なのだろう。 でも一人になって初めて気付くのは、一人の寂しさだ。
つい八カ月前までは、今まで隣にいた文晶のことが当たり前だと思っていたのに。