【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


 文晶は冷たい目で私を上から見下ろしている。

「今はもう、愛してなんてない……」

「ウソだ。お前はまだ俺のことを愛してるんだろ? その目がそう言ってるだろ」

 私は文晶に「自惚れないでっ! 私はもうあなたのことなんて愛してない!」と伝えたが、文晶は全く聞いてくれず「ウソ付かなくていいんだよ、菫花。 だからやり直そうって言ってるんだからさ」と私に言ってくる。 

「っ……やだっ」

 どうしよう……助けて。助けて、眞紀人くんっ!

 私は心の中で眞紀人くんの名前を何度も呼んでいた。来るかもわからないのに、ずっと呼んでいた。

「お前は俺以外の男と幸せになるなんて、無理なんだよ。わかるだろ?」

「なに、言ってるか、わかんない……」

 文晶の目が怖くて思わず泣きそうになる。

「わかるだろ? お前みたいな単細胞な女、愛せるのは俺だけなんだぞ」

「単……細胞……?」

 どういう意味……?

「せっかくだから、教えてやるよ。俺がお前と結婚したのは、ステータスが欲しかったからだよ。 俺のステータスが上がれば、俺は上に行けるからな」

 ステータス……? 私と結婚したのは、ステータスのためだったって……こと?
 そんな……。そんなの、ひどい。

「なに、それ……。ステータスのために……私と結婚したってこと?」

「そうだよ。 妻の結婚相手が初めての彼氏の俺って、以外とステータスいいんだよ。会社の人たちにもステータス上がるし」

「っ……最低っ!」

 私は単純に、ステータスのために結婚させられていたってこと……?
 文晶に愛されていると、あの時はそう思っていたのに。……そう、思っていたのに。

「私のこと……愛してるって言ったのは、ウソなの?」
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