【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


「……はあ? 俺が単細胞だと?」

 眞紀人くんを睨み付けている文晶に動じることなく、眞紀人くんは「ああ。いつまでも自分のステータスのために元嫁に縋るとか、マジでダサいよ」と言っていた。

「お前、いちいちムカつくんだよ!」

「おお、それは良かった。 俺も同意見だから」

「……なんだと?」

「俺たち同意見ってことで、相思相愛ってことかな」

 ど、どうしよう……どうしたらいいの?

 そう思っていたら、眞紀人くんは真剣な眼差しになった。 かと思ったら、文晶に向かって「アンタ、本当に自分のことばっかりなんだな」と口にした。

「はあ?」

「何がステータスだよ。 自分のことばっかりで、アンタは彼女のことがなにも見えてないんだな」

 眞紀人くんはきっと私のために怒ってくれている。 だけどこんな時でも冷静だ。 

「どういう意味だよ?」

「アンタ、彼女がどれだけアンタのことを愛してたかわかるか? アンタへの愛は、彼女にとって本物そのものだったんだよ。……本気で愛してたんだよ、彼女はアンタのことをさ。一人の男として」

「っ……」

 なぜかわからないけど、急に涙が溢れてきてしまう。

「ゔぅ……っ」

 これは、眞紀人くんなりの優しさだとわかった。 私が文晶のことを信じていたという事実を、壊さないための。

「な、なんなんだよ! お前は!」

「だから言ってるだろ、俺は彼女の゙彼氏゙だって」

 だから敢えて、眞紀人くんは文晶にそんなことを言ったんだと思う。 

「アンタには、人を愛する資格なんてないんだよ。……いいか、二度と彼女に近付くな」

「………」

「今度彼女に近付いたら、その時は警察にアンタがストーカーだと訴えてやる。覚悟しておくんだな」
< 33 / 112 >

この作品をシェア

pagetop