【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


「チッ……クソッ!」

 眞紀人くんの言葉に何も言い返せなくなったのか、文晶は私たちの前から慌てて走り去って行った。

「大丈夫?菫花さん」

「……っ」

 眞紀人くんはそんな私を優しく抱き締めてくれる。

「良かった……菫花さんが無事で」

 眞紀人くんは私の頭を優しく撫でてくれる。

「……ごめんなさい」

「なんで菫花さんが謝るの? 菫花さんは、何も悪くないんだから、謝る必要なんてないでしょ」

 眞紀人くんの優しさに触れた私は、涙がボロボロ溢れてしまってうまく言葉に出来ない。

「何も言わなくていい。……いいよ、何にも言わなくていい」

 眞紀人くんの腕に抱き締められた私は、ただ涙が止まらなくなっていく。

「眞紀人、くんっ……」

 身体が震える私に、眞紀人くんは「怖かったよな。……ごめん、来るのが遅くなって」と優しく背中を擦ってくれる。

「ありがとう……来てくれて」

「当たり前だろ? だって俺、一応?彼氏だし」

 眞紀人くんのその優しい声に、私は思わず「うん、そうだね……」と笑ってしまった。

「大丈夫、俺がそばにいるから」

「ん……ありがとう」

 涙を服の袖で拭うと、眞紀人くんは私の頬に手を伸ばして、拭いきれなかった涙をそっと拭ってくれた。

「眞紀人くん……」

「……だから言ったじゃん。俺なら菫花さんのこと、泣かせないって」

 眞紀人くんは私の頬を優しく撫でてくれる。

「うん……」

 なぜだかわからないけど、この空間が妙にドキドキする。 見つめられるだけで、顔が赤くなりそうだった。 

「菫花さん……もう泣かないで」 

 眞紀人くんはそっと顔を近付けると、私の唇に優しく触れるくらいのキスを落としていく。
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