【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


 それは本当に一瞬だったけど、ちゃんと温もりを感じた。

「……もう一回、して」
  
 その温もりに心地よさを感じていた私は、自分からもう一回とせがんでしまっていた。

「いいの? もう一回しても」

「……ん、いいよ」

 私はどうかしてしまっている。 文晶にボロボロにされたからか、心が弱ってるからなのかはわからない。
 でも私には、この眞紀人くんという存在が必要なんだと感じたんだ。

「んん……っ」

 今度はさっきよりも少し力強さがあるキスだった。

「立てる? 家まで送るよ」

「うん……ありがとう」

 眞紀人くんは何も言わず、私の手をギュッと握り締めてくれる。

「あのさ……一つ聞いてもいいかな?」

「ん?」

 すごく疑問だった。どうして眞紀人くんがあそこにいたのか。

「どうして……私があそこにいるってわかったの?」

「ああ、それはね」

 それは……?と思っていると、立ち止まった眞紀人くんから「菫花さん、スマホ貸して」と言われて、カバンからスマホを取り出す。

「実はさ、菫花さんのスマホの中に、GPS入れといたんだ」

「えっ……GPS?」

 なるほど……。だからあそこがわかったんだ。

「位置情報共有サービス入れといて正解だった。 GPSで見たらさ、動いてたのに急に止まって、しかもそこから全然動かないから変だなと思ったんだよ」

「……そっか。 ありがとう、おかげで助かったよ」

 眞紀人くんは「まあ、一応彼氏なんで。 彼女のことを守るのは、彼氏の役目だしね」と笑っていた。

「ありがとう。 本当に、感謝してる」

「別にいいよ。大したことしてないし」

「そんなことないよ。……庇ってくれて、嬉しかった」
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